回路検証
回路検証において、実際にシミュレーションを実行している時間はそれほど多くはなく、検証条件の絞り込みや、シミュレーション結果をまとめて確認するまでの作業に時間がかかります。
●現状の作業
- アナログ設計の回路検証では、多数のパラメータが存在し、特性ごとにWorstとなる条件も異なります。
- プロセス、電圧、温度条件に加え、設計する回路の入力条件、出力につながる負荷の条件などの組み合わせがあり、これら全条件をマトリックスで検証すると膨大な数の検証が必要です。
- そのため、設計者の経験や、一部、感度解析シミュレーションで傾向を確認することにより、Worstとなる条件を推測して、検証時間と品質のトレードオフを見極めて特性を確認することもあるでしょう。
●Worst/Best組み合わせ検証
- 検証項目ごとに、設定されたパラメータごとの感度解析シミュレーションを実行し、結果を出力します。
- 全てのパラメータに対して順番に実行し、最後に、全パラメータのWorstとBestの組み合わせのみをシミュレーションして、typical、worst、bestの特性値を出力します。
- 設計者は、Worst条件での設計仕様の満足状況、各パラメータの感度解析結果での所望の依存性、を確認するだけです。
- 検証条件も少ないため、シミュレーション時間も短く、大規模な回路でなければ、検証を実行してから数分程度で結果と依存性が確認できます。
- 全条件をマトリックスで検証することも可能なため、目的に応じて選択しながら活用できます。
- 予め作成した検証シナリオにしたがって、全ての検証項目に対して、まとめて実行できます。
さらに、「統合検証環境」として、回路検証の便利な制御も組み合わせて実行できます。
- スタティック制約を設定することで、ミラー比を保持したパラメータの自動振りで実行でき、その結果を感度解析で確認して判断できます。
- 感度が高い領域が一目でわかるため、初級者でも、視覚的に判断しやすくなります。
- モンテカルロシミュレーションにも対応していて、ヒストグラムや統計結果が自動で出力されるので、確認しながら判断できます。
- さらに、入力した複数条件に対して、目標仕様を満足するサイズの組合せと結果を出力でき、簡単な設定で目標を満足する解を得ることができます。